ブログ 投稿日:2021.12.16 更新日: 2021.12.16

「しいたけ王国岩手」から伝えたい!しいたけの種類や旨味、美味しさの秘密

香り高く肉厚なしいたけは、数あるきのこの中でも別格の存在感を誇ります。

菌床しいたけや原木しいたけ、冬子(どんこ)などしいたけにまつわる用語を見かける機会は多いものの、実のところよくわからないという方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、日本有数のしいたけ生産地である岩手県が声を大にして伝えたい、しいたけの魅力や岩手のしいたけが絶品な理由について詳しく解説します。

「しいたけ王国」岩手県

岩手県は「しいたけ王国」と称されるほどしいたけの生産が盛んな地域です。

特に菌床栽培が盛んで、農林水産省による「令和2年特用林産物生産統計調査」によると、岩手県は生しいたけでは第3位、乾燥しいたけは第4位の生産量を記録しました。

※参考:農林水産省「令和2年特用林産物統計調査」

原木しいたけと菌床しいたけ

「原木しいたけ」と「菌床しいたけ」という呼び方を聞いたことがあるという方も多いかもしれません。

この原木と菌床はそれぞれしいたけの栽培方法を示す単語です。

比較的流通量が多い菌床しいたけは、いわゆる人工栽培されたしいたけを指します。

菌床しいたけは、菌床と呼ばれるおがくずを固めたものにしいたけの種を打ち込み、真っ暗な室内で人工的に養分を与えながら栽培されています。

3ヶ月から6ヶ月サイクルで1年を通して収穫することができるため、この栽培法はしいたけを身近なものにしてくれた革新的な発明ともいえます。

またこの菌床栽培により通年収穫できるようになったことで、乾燥させずに生のまま出荷する生しいたけが一般化したともいわれています。

一方で原木しいたけとは、自然の森の中の一画で栽培されたしいたけのことを指します。

原木栽培の場合、クヌギに種を打ち込んだあと菌糸がしっかりと形成されるのを待ちます。

そして2年ほど経つと春と秋に気候条件がそろうとしいたけが自然に原木から発生します。

水をやることはあっても栄養分を人工的に加えることがないため、自然の力を利用した完全な無農薬栽培といえます。

とれる時期が決まっていて、菌床しいたけと比べると生産効率はよくありませんが、色味や香り、風味、肉厚さといった味わいが優れた原木しいたけは根強い人気を誇っています。

しいたけ栽培に適した岩手の気候

岩手でしいたけ栽培が盛んな背景には、夏でも冷涼な岩手の気候に秘密があります。

原木栽培に必要な条件は風通しがよくて冷涼かつ適度な湿度が保たれていることです。

その点1年を通して涼しく、切り風である「やませ」が吹き込む岩手の土地は、しいたけにとって優れた生育環境が整っています。

菌床栽培と聞くと全国どこで作っても大差がないイメージがあるかもしれませんが、実はこちらも気候が重要です。

きのこを育む菌床作りにおいて、湿度や風通し、気温が重要になってくるのです。

夏でも冷涼な岩手の土地は、1年を通して自然の恩恵を最大限生かした豊かな菌床作りが可能な絶好の場所。

同じ菌床栽培でも抜群の気候で抜群の生育環境が整えられた岩手の菌床きのこは絶品です。

しいたけの魅力をおさらい

きのこの中でも肉厚で独特の香りで人気のあるしいたけの魅力について、栄養素などを交えて詳しくご紹介します。

旨味成分と栄養素

しいたけは出汁として用いられることもある旨味の強い食材のひとつです。

その秘密は、鰹節に含まれるイノシン酸、昆布に含まれるグルタミン酸と並ぶ3大旨味成分のひとつ、グアニル酸が豊富に含まれている点にあります。

他のキノコ類や海苔、トマトにも多く含まれるグアニル酸ですが、しいたけの含有量は圧倒的です。

海苔の100gあたりのグアニル酸含有量は3〜80gとされているのに対し、乾燥しいたけには100gあたり約150mgが含まれています。

また栄養素としては食物繊維やカリウム、ビタミンD、葉酸が豊富に含まれているという特徴があります。

他にも悪玉コレステロールを低下させるエリタデニンやガン予防効果のあるβ-グルカンなども含まれているなど、健康食品としてもその魅力は高いです。

100gあたり19〜23kcalとエネルギー量が少ない一方で上記のような栄養素が豊富に含まれているので、健康的なダイエットの味方ともいえるのではないでしょうか。

生しいたけの魅力と特徴

生のしいたけの魅力は柔らかな食感とみずみずしさにあります。

乾燥よりもやわらかな食感が楽しめるので、手に入れたら新鮮な内に調理するのがおすすめです。

また調理する方にとって嬉しいのが、手間がかからないという点です。

乾燥しいたけとは違って水で戻す必要がないので手軽に調理することができます。

食べ応えのあるしいたけを簡単に料理に取り入れられるのも魅力的ですよね。

乾燥しいたけの魅力と特徴

しいたけは乾燥させることで旨味と栄養価が大幅にアップするという特徴があります。

しいたけの旨味成分としてご紹介したグアニル酸は、実は乾燥しいたけにしか含まれません。

また、食物繊維やビタミンDなど健康にも良い成分が多いものでは約30倍にも増加します。

ただ乾燥させるだけで栄養価も美味しさも高まるなんて驚きですよね。

また、乾燥しいたけは水で戻す必要がありますが、この戻し汁も旨味の詰まった出汁として活用できる優れもの。

栄養と旨味が詰まった戻し汁は煮物やスープにもおすすめです。

乾燥しいたけの美味しい戻し方

しいたけの旨味を最大限活かすための、おすすめの乾燥しいたけの戻し方をご紹介します。

戻し汁に椎茸の美味しさを閉じ込めるためには、温度が非常に重要です。

実は旨味成分グアニル酸は高温に加熱したときにリボ核酸という成分が分解されて生まれます。

このリボ核酸が最も多く抽出される水温は5℃前後と言われているので、しいたけを戻す際には5℃を目安とした冷水につけ置くのがおすすめです。

つけ置き時間はしいたけの種類にもよりますが、一晩寝かせておくと確実です。

注意点としては、戻し汁は沸騰直前の高温で一気に調理する必要があるということです。

というのも、リボ核酸をグアニル酸に変化させる酵素が最もよく働くのが60℃から70℃前後の温度帯である一方で、グアニル酸を分解する働きのある酵素が40℃から60℃で活発になります。

少々ややこしい話ではありますが、沸騰させてしまうと旨味成分が壊れてしまいますが、ゆっくりと加熱していくと途中でせっかく生成されたグアニル酸が再度分解されてしまうのです。

まとめると、5℃で乾燥しいたけを戻したあと、戻し汁を調理する時は一気に沸騰直前まで加熱することで旨味を最大限生かした料理に仕上げることができます。

しいたけの種類

実はしいたけの種類は、品種ではなく収穫時の「かさの開き方」で決まります。

「冬子(どんこ)」「香茹(こうこ)」「香信(こうしん)」の3種類があり、それぞれ食感や見た目の美しさに違いがあります。

素材の魅力を最大限活かす料理づくりにも役立つ、3種類それぞれの特徴をご紹介します。

冬子(どんこ)

冬の終わりから春先にかけて収穫される冬子(どんこ)は、かさが開ききっておらず丸みを帯びた形状が特徴です。

冬子は他の2つと比べて肉厚で弾力のある歯応えが魅力の種類です。

しいたけそのものの形を活かした煮物や焼き物、鍋物に用いられることが多く、肉厚な食感を楽しみたい方におすすめです。

また、かさの部分に白く割れ目が入ったものは「花冬こ」と呼ばれ、高級食材として中華料理などでも重宝されています。

また、厚みがあるため乾燥のものを戻す際は、10時間以上とたっぷり時間をかける必要があります。

香信(こうしん)

春に収穫されるかさが開ききった平たい形が特徴のしいたけは香信(こうしん)と呼ばれています。

あっさりとした風味が特徴で、他の食材の味を邪魔しないため使い勝手のよいしいたけともいえます。

お吸い物やちらし寿司などに多く用いられており、戻し時間も短く済むため手軽に料理できる点も魅力です。

香茹(こうこ)

冬子と香信の中間にあたるのが香茹(こうこ)です。

程よい肉厚感と柔らかさを兼ね備えているので、贈答用に用いられることも多いです。

しいたけらしさを活かしつつ、程よい形と食感なのでステーキや炒め物、シチューなどあらゆるテイストの料理にマッチします。

まさに冬子と香信のいいとこ取りのしいたけといえます。

岩手県の椎茸の名産地

「しいたけ王国いわて」が誇るしいたけの名産地について、それぞれの魅力や特徴を交えて解説します。

【久慈市】県の4割の生産量を誇る名産地

岩手県久慈市は、しいたけ王国である岩手県においてその4割の生産量を誇る名産地です。

原木栽培、菌床栽培ともに盛んに行われており、特に冬子(どんこ)の乾燥しいたけは全国乾椎茸品評会で何度も上位入賞を果たす美味しさです。

抜群の生育環境で育まれた肉厚の久慈しいたけは贈り物にもおすすめの一品です。

【田野畑村】『やませ』を活かした菌床しいたけ

三陸沿岸に位置する田野畑村では、浜辺から吹き込む霧風「やませ」を活かした菌床しいたけが育まれています。

菌床しいたけの美味しさを左右する菌床作りにおいて、夏でも冷涼な田野畑の気候は非常に好条件が整っています。

温度以外にも湿度や換気量を適切に管理する必要がありますが、田野畑村では涼しい気候と吹き込むやませを活用し、人工では再現不可能な抜群の菌床づくりが可能です。

約80日かけて育まれる完全菌床で育つしいたけは、田野畑村でしか生み出せない美味しさを誇っています。

そんな田野畑村のしいたけは、こちらのオンラインショップから気軽に購入することができます。

ご自宅でじっくり、田野畑のしいたけを味わってみてください。

※田野畑村の菌床しいたけご購入はこちらから

なおこちらの「道の駅たのはた思惟の風」のオンラインストアでは、他にも三陸の恩恵が詰まった田野畑村自慢の商品を取り扱っています。

ぜひしいたけとあわせて田野畑の魅力を堪能してみてください。

岩手のしいたけを使ったおすすめ調理法

手が誇るしいたけの魅力をたっぷり味わえるおすすめの調理法をご紹介します。

煮物

しいたけ料理の定番ともいえる煮物は、旨味をしっかり味わえる調理法です。

特に乾燥しいたけを使い、戻し汁も活用した調理がおすすめです。

冬子を使うことで、しいたけらしい旨味と歯応えをしっかり噛み締めることができますよ。

焼き物

しいたけの香りをしっかり感じたい方にはステーキやバーベキューなどの焼き物がおすすめです。

丁寧に戻した乾燥椎茸を焼くもよし、生の柔らかな書簡を味わうもよしの食べ方で、お醤油とバターなどでシンプルな味付けでぜひ味わってください。

まとめ

しいたけの魅力や種類と共に、「しいたけ王国岩手」が誇るおすすめのしいたけをご紹介しました。

オンラインショップを活用することでご自宅からでも気軽に手に入れることができるので、ぜひ岩手の美味しいしいたけを味わってみてください。