ブログ 投稿日:2021.10.27 更新日: 2022.06.16

ウニの旬はいつ?美味しいウニの特徴や味わいを種類ごとに解説

とろける味わいと濃厚なコク、優しい甘みが特徴の高級食材、ウニ。

日本人にとっても非常に馴染みのあるウニですが、その旬の時期は2〜3ヶ月ほどといわれています。

2〜3ヶ月と聞くと短いようにも感じますが、実はウニの種類や収穫される地域ごとに旬は異なります。

そのため、ウニの旬を正しく理解することで。”より長く”、そして”最も美味しい頃合いに”各地のウニを楽しむ事ができます。

今回はそんなウニについて、種類・収穫地域ごとの旬の時期や味の特徴についてまとめて解説します。

一番美味しいウニの旬とは

「ウニ」と一括りにいっても、ウニの品種や水揚げ地によって旬となる季節は異なります。

そもそも一般的に流通するウニは「無添加生ウニ」や「ミョウバンで処理したウニ」など加工方法にも違いがあり、当然その味わいに違いがあります。

ここではウニについての基本的な情報をご紹介します。

そもそも”ウニ”とは

硬く鋭い棘に覆われたウニですが、実はヒトデやナマコの仲間に当たります。

それぞれ異なる見た目をしていますが、同じ「棘皮(きょくひ)動物」に分類されている生き物です。

ちなみに私たちが普段口にしている黄色い身の部分はウニの「生殖巣」(=精巣や卵巣)に当たり、実は縄文時代から食べられていたそうです。

私たち人間には、数千年も昔からウニを味わってきた歴史があるのです。

ウニの一般的な旬の時期

ウニは日本海近郊だけでも約160種類も生息していますが、食用とされているのは10種類ほどとごくわずかです。

品種ごとの詳しい旬については後ほどご説明しますが、日本で一般的に食べられているウニは大まかに8月ごろが旬といえます。

現在ウニの養殖は研究機関などを除いておこなわれていないので、私たちが食べているのはすべて”天然物”のウニです。

したがって、たくさん漁獲することのできる時期は人間にコントロールできないため、旬を味わうには季節をチェックする必要があります。

塩漬けのウニは旬を問わず楽しめる

「一夜漬け」や「塩ウニ」などと銘打たれて販売されている、塩漬けに加工されたウニを目にする機会も多いのではないでしょうか。

ウニに塩を振ることで長期にわたって美味しく保存できるだけでなく、無加工のものと比べてコクと旨味がアップします。

余分な臭みや水分が取れた濃厚な味わいは、無加工の生ウニとはまた一味違った美味しさが魅力です。

ウニの保存に使われる「ミョウバン」とは

ウニの加工法として「ミョウバン」も多く用いられます。

ミョウバンは硫酸アルミニウムカリウムという物質で、「ベーキングパウダー」としても知られています。

焼き菓子やケーキに使う”ふくらし粉”としての役割以外にも、ナスなどのアク抜きや、食品の色の保持やタンパク質凝固を促進し型崩れ・煮崩れを防止する目的で使われています。

ウニの場合は、繊細なウニの形が崩れてしまうのを防止するはたらきがあるほか、微粒子を吸着することで水を透明に保つ効果もあります。

このミョウバンですが、加工法によってはウニを口にした際に苦味や薬品臭さを感じることもあります。

そのため差別化を図るために無添加であることを明記して販売される場合も多いです。

ミョウバンの量が多いものはウニの味を損なってしまいますが、加工技術次第では余分な水が排出されることで”ウニ本来の味が際立つ”ようになります。

ウニ本来の品質や生産者の技術力によって、ミョウバン加工を施したウニの味には差が開きやすいといえるでしょう。

ウニの種類ごとの特徴と旬の時期

日本一般的に食べられているウニの種類ごとの特徴と美味しくいただける旬についてご紹介します。

バフンウニ

たわしのような見た目をしたバフンウニは、日本でも非常にポピュラーなウニのひとつです。

オレンジがかった黄色の身をしており、東北から九州まで全国的に水揚げされています。

そのため暖かい九州地方から順に旬を迎えていきますが、およそ3月から4月にかけてが目安です。

また、味わいとしては非常に濃厚で滑らかな舌触りが特徴です。

エゾバフンウニ

北海道や東北、千葉にかけての太平洋側でとれるエゾバフンウニは、バフンウニよりもサイズが大きくオレンジ色の身が特徴です。

最高級のウニと称される濃厚で甘みの強い味わいで、苦味は少ないといわれています。

7月から9月にかけてが旬とされており、より甘みの強いものを選ぶ際には”よりオレンジが鮮やかなもの”を選ぶのがポイントです。

ムラサキウニ

黒くて長い棘に覆われたムラサキウニは太平洋側では茨城以南、日本海側では秋田以南と広い範囲で収穫されています。

同じムラサキウニでも産地ごとに味が異なるのが特徴で、一般的に西に行くほど濃厚になるといわれています。

全体としてはしっかりとしたコクのある濃厚な味わいです。

旬は6月から8月までで、産地ごとに味を比べるのもおすすめの楽しみ方です。

キタムラサキウニ

ムラサキウニより大きく、やや緑がかった殻をしたキタムラサキウニは日本海側の山口以北、太平洋側では相模湾以北で収穫されています。

大きな身とクセが少なく甘みのある味わいが特徴です。

旬は9月から11月までと長く、ボリューム感と形の崩れにくさから寿司ネタとしてもよく用いられています。

アカウニ

その名の通り赤褐色の殻におおわれたアカウニは、9月から10月にかけてが旬です。

佐賀と長崎で主に収穫されていますが他の品種と比べて収穫量が少なく高価です。

味わいとしては非常に甘みが強く濃厚であるため評価が高く、収穫量の少なさと相まって高級食材としても知られています。

なお、バフンウニをその身の赤みの強さから「赤ウニ」と呼ぶ場合もありますが、こちらのアカウニとは種類も味わいも異なるため注意してください。

日本のウニの名産地

日本近郊には全国的にウニが生息していますが、中でも特産品として名高い地域をご紹介します。

各地でとれるウニの種類や味わいの特徴も合わせて解説するので、ぜひウニを味わう際に参考にしてください。

北海道

北海道はウニの収穫量日本一を誇る名産地です。

広大な道内では地域ごとに収穫できるウニの種類や時期が異なるため、1年を通してウニ漁がおこなわれています。

具体的には羅臼地域で1月半ばから6月にかけてバフンウニが、3月には襟裳・日高エリアでエゾバフンウニの旬が始まり、6月から8月には積丹半島や利尻島でムラサキウニが収穫されます。

そして秋から年末にかけては松前エリアなどを中心に、キタムラサキウニが旬を迎えるなど、さまざまなウニを楽しめるのが北海道の魅力です。

青森県

北国の青森で収穫されるのは主にキタムラサキウニとエゾバフンウニの2種類です。

特に青森のキタムラサキウニには春から初夏にかけて旬を迎え、その繊細な味わいは他地域と比較しても高い評価を受けています。

下北半島に位置する佐井村では専用の籠を沈める「ウニ籠漁」と、浅瀬で直接矛を使ってウニを突き刺して捕まえる「ウニ突き漁」という二つの漁法が用いられているのも特徴です。

岩手県

岩手県はウニの漁獲量が北海道に次ぐ第2位を記録する日本有数の好漁場です。

特に三陸海岸では豊かな海流の恩恵を受け、バフンウニとキタムラサキウニの2種類が多く収穫されています。

三陸のウニの美味しさの秘訣は、同じく三陸の特産品であるワカメやコンブなどの豊かな海藻類にあります。

ウニは海藻を食べて育つ生き物です。

そのため、ミネラルをはじめとする栄養分を豊富に含んだ三陸の海藻で育った三陸のウニは大きな身と深い甘み、豊かな風味が特徴です。

三陸地方沿岸では親潮、津軽暖流、黒潮がぶつかるため、膨大な量のプランクトンを餌に栄養価の高い海藻類が育ちます。

昆布とワカメがともに生い茂る三陸の海は全国的にも非常に珍しく、この豊かな生態系が絶品のウニを育んでいるのです。

良質な海藻で育ったキタムラサキウニは黄色がより鮮やかで、味も濃厚です。

特に5月から7月は産卵前の時期にあたり、甘みの強い大きな身のウニが収穫されています。

三陸の海の幸を道の駅で

思惟の風外観

道の駅たのはた「思惟の風」ではその季節にちなんだ新鮮な三陸の海の幸・山の幸をご用意しています。

鮮度抜群の海産物はもちろんのこと、保存が効きお土産にもぴったりの商品も豊富なので旅の思い出をご家庭でもお楽しみいただけます。

購入した商品をすぐに食べられる休憩スペースもあるので、栄養満点の野菜やオリジナルフードと合わせて、三陸の魅力を最大限満喫する事ができますよ。

現在国内で流通するワカメの多くは外国産や交配種ですが、田野畑村のワカメは天然の原種ワカメです。

世界でも3、4箇所でしか収穫できない貴重なワカメを存分に味わうのはもちろんのこと、そんな栄養満点のワカメで育ったウニの美味しさをぜひ、思惟の風で確かめてみてください。

住所: 〒028-8407
岩手県下閉伊郡田野畑村菅窪 151-6
連絡先: 0194-32-3555
営業時間: 物販・産直9:00~18:00
食堂11:00~15:00
アクセス: 国道45号線沿い
三陸自動車道(無料高速道路) 田野畑南ICから国道45号を北へ5分
公式HP: https://shiinokaze.or.jp/

富山県

富山県では中でも北西部に位置する氷見市のウニが有名です。

富山湾は非常に水深が深く、起伏に富んだ複雑な地形と流れ込む対馬海流が生んだ好漁場として知られています。

森林の栄養を豊富に含んだ雪解け水が流れ込むことで豊富なプランクトンが培養され、非常に種類豊富な海洋生物が生息しています。

豊かな生態系を育む富山県近郊では、栄養をたっぷり含んだウニを味わうことができます。

九州西部(=長崎/佐賀県)

九州地方では早くも4月から6月にかけてムラサキウニが旬を迎えますが、最大の特徴はなんといっても9月から10月に収穫されるアカウニです。

温帯性のアカウニは収穫される量が少なく、そのほとんどが九州で消費されるため東日本ではなかなか手に入らない貴重な存在です。

「幻のウニ」と称される希少価値の高いアカウニが九州のウニ漁における最大の魅力といえるでしょう。

限られた旬ならではの絶品生ウニを味わおう

1年でも2ヶ月程度しかない旬のウニは、生ウニならではの風味と旨味が特徴です。

地域や種類によって旬が異なるので、ぜひこの記事の内容を参考に美味しいウニを味わってみてください。

また塩ウニやミョウバンで加工したウニには、生ウニとは一味違った美味しさがあります。

加工や輸送の技術の発展により、インターネット通販などで手軽にウニを購入できるようになりました。

さまざまなウニを食べ比べ、自分のお気に入りを探してみてはいかがでしょうか。