ブログ 投稿日:2021.05.17 更新日: 2022.01.11

海の秘境を探索できるサッパ船クルージングとは?魅力やおすすめスポットを解説

たまには平凡な日常を抜けて、ロマンあふれる大海原の旅に出てみませんか?

そうはいっても大型クルーズはお金がかかるし、ただ海上を航行するだけなんて何だか退屈そう。

そんな方にこそオススメしたいのが「サッパ船」クルージング。

普通の船では近づけないような海の秘境を探索できちゃうんです。

この記事ではそんなサッパ船の魅力とともに、おすすめの観光スポットをご紹介します。

サッパ船とは?

さっぱ船

「サッパ船」とは、三陸地域で漁師さんがウニやアワビ漁のために漁網を貼る作業などに使われる、小型の磯船です。

サッパ船の特徴の一つとして、船体の小ささがあります。

小型船のため大型漁船に比べ小回りがきき、水深の浅い岩礁地帯や200mもある断崖の真下にも近づくことができます。

元々は地元漁のための作業船でしたが、漁師さん達が副業としてサッパ船を使ったツアーを開始。すると、そのスリル満点な走行と三陸海岸の景勝美からたちまち人気を博し、今では地域の重要な観光資源になっています。

サッパ船の語源・歴史

サッパ船との語源は「笹舟」という言葉から由来したと考えられています。

「笹舟」とは、笹の葉などを組み立てて舟の形に見立てたものです。昔の子供達は小川や水路で作った笹舟を流して、誰が一番早いかを競って遊んだそうです。

この笹舟の形状に似ていることから、現在の「サッパ船」の名前が付いたとされています。

サッパ船を体験できるスポット

浄土ヶ浜さっぱ船

サッパ船の遊覧ツアーは主に岩手県三陸沿岸地域の二大景勝地である「北山崎」と「浄土ヶ浜」で体験できます。

この三陸沿岸部一帯は2011年3月に発生した東日本大震災によって深刻な被害を受けました。

もちろんサッパ船や周辺施設も被災し、一時はその存続が危ぶまれるほど壊滅的な状況でした。

しかし、地元の漁師さん達の協力や全国からの支援を受けて地域の観光を復活さえたいという目的でこのサッパ船ツアーが再開されたのです。

東北および三陸地域の復興のためにも、ぜひ足を運んでみてはいかかでしょうか。

北山崎サッパ船アドベンチャーズ

断崖とさっぱ船

岩手県田野畑村で体験できる「北山崎サッパ船アドベンチャーズ」は地元漁師さんの操縦するサッパ船にのって、断崖や奇岩の多いダイナミックな海岸線を進むクルージングです。

北山崎は岩手県北東部・田野畑村にある自然景勝地。

なんと海面からの高さが200mもある断崖絶壁は、さながら自然界の高層ビルのような大迫力です。

大型の遊覧船では通れないような細い岩岩の間を進み、連なる大海食崖へ手が届きそうなほど近くまで迫って行くことができます。

きっと他では味わえないスリルが体験できること間違いなしです。

さらに、サッパ船は「岩のトンネル」と呼ばれる洞窟へと向かいます。

狭く入り組んだ岩々の間を荒波に揉まれながら、巧みに切り抜けていく船長の操縦はまさにプロの技です。

トンネルを通り抜けた瞬間には思わず拍手したくなってしまうことも。

一時間の遊覧を終え、車で15分程走らせると北山崎展望台に行くことができます。

さっきまで間近にあった北山崎の断崖を遠くから離れて眺めると、また違った感動を覚えることでしょう。

迫力と感動の「サッパ船遊覧ツアー」に参加するには、参加前日の17:00までに事前予約をする必要があります。

また、予約は2名からで最大7名ほどの同乗が可能です。

料金は大人1名3800円、小学生以下が3000円となっています。

青の洞窟・サッパ船遊覧

浄土ヶ浜さっぱ船遊覧

宮古駅から車で15分程沿岸部へ行ったところにあるレストハウス「浄土ヶ浜マリンハウス」では、「青の洞窟・サッパ船遊覧」に参加することができます。

この施設では事前予約は受け付けていないため、当日窓口に参加の旨を問い合わせましょう。

岩手県宮古市にある浄土ヶ浜は三陸地域を代表する絶景スポットの一つ。

その昔、この浜辺を訪れた宮古山常安寺七世の霊鏡竜湖が「さながら極楽浄土のごとし」と評したという逸話があり、そこから現在の「浄土ヶ浜」という呼び名につながったとされています。

浄土ヶ浜の特徴は何と言っても、白く突き出した奇岩の数々。これらの岩は約5200万年以上前に形成された火山岩だそうです。

透き通るような紺碧の海と高く連なる白い岩肌が織り成す光景は、まるで天国にいるかのような錯覚を起こさせますね。

浜辺の景色を楽しんだ後は、サッパ船に乗船して三陸の海へと出発進行。

穏やかな入江を遊覧しながら国の名勝にも選ばれた美しい景観を楽しめます。道中には「剣の山」や「賽の河原」「血の池」と様々な名所を地元船長のお話を聞きながら巡っていきます。

また三陸沿岸部はうみねこの繁殖地帯でもあります。観光客にもとても人懐こいので船から餌やりをしたり、思う存分三陸の自然と触れ合うことができます。

青の洞窟

青の洞窟

こちらのサッパ船遊覧ツアーでは、天候に恵まれればなんと「入ったものは願いが叶う」と言われている「青の洞窟」に行くことができるんです。

この神秘的な洞窟、正式名称は「八戸穴」といい、様々な自然条件が組み合わさって水面が青や緑に輝く様子からそのような異名で呼ばれています。

小舟でしか入れないほど小さな海蝕洞でまるで未知の秘境を探索している気分に。

ぽっかり空いた洞窟の中に揺らめく、美しいエメラルドグリーンの海に魅せられて何度もこの場所を訪れる観光客も多いそうです。

洞窟に入るためには風が少なく波が安定している日に行くのが好ましく、できるだけ午前の早い時間帯に来るのがおすすめだそうです。

浄土ヶ浜遊覧から青の洞窟探検も含めて約20分ほどのコースで、大人料金は一人1500円となっています。

サッパ船の上から眺める「現世の極楽浄土」の景色は、きっと忘れられない思い出になること間違いなしです。

釣り

浄土ヶ浜マリンハウスでは、釣り専用の手漕ぎボートの貸し出しも行っています。

浄土ヶ浜に生息する魚の種類はアイナメ、ソイ、カレイ、ヒラメなどをはじめとして 多種多様な生き物暮らしています。

これらを狙って大物を釣り上げた人はマリンハウスで行われている「大物ダービー」二エントリーができ、入賞者には豪華景品がプレゼントされるなど多いな盛り上がりを見せています。

過去の優勝者には全長50cmを超えるアイナメを釣り上げた人もいるそうです。

手漕ぎフィッシングボートは2000円〜2400円で終日利用可能です。

風光明媚な浄土ヶ浜の景観を眺めながらのんびりと1日中釣りを楽しめます。

さっぱ船に乗る時の注意点

旅行中に怪我や事故にあってしまったら、せっかくの楽しい旅のひとときも台無しです。

サッパ船に乗る際も以下の点を気につけて、安全な海の旅を楽しみましょう。

漁師の言うことは必ず守る

船を操縦する船長さんは、何十年もサッパ船に乗り続けている地元のベテラン漁師さんたちです。

そのため、海の怖さや安全に運行する方法について私たちよりもよっぽど多くのことを知っています。

自分が安全だと思っても無茶なことはせず、船上では漁師さんの指示に従って行動するようにしましょう。

濡れても良い格好で参加する

サッパ船は通常の遊覧船に比べて船体が非常に小さく重さも軽いです。

そのため、小さな波や風による影響も受けやすく、その日の海の様子によって船体が大きく揺れながら運行することがあります。

サッパ船クルージングに参加する当日は、突然水がかかってしまっても問題ないような動きやすい服装で参加しましょう。

日焼けに注意

浜辺周辺は高い建物など日差しを遮るものがほとんどありません。

また、白い砂浜や水面などによって太陽の光が反射されいつもより多く日差し、紫外線の影響を受けることが予想されます。

乗船の前日までに周辺地域の天候をチェックし、その日の日射量に応じて着るものを工夫したりサングラス、日焼け止めなどを活用して日焼け対策を怠らないようにしましょう。

急に立ち上がらない

当たり前のことですが、ボート走行中に船上で突然立ち上がる行為は海に転落したり、船体がバランスを崩す要因となり非常に危険です。

特に小さいお子様と乗船する場合はいつも以上にお子様の行動に目を光らせ、無茶な行動を取らせないようにして下さい。

また、船上を移動する時はなるべく重心を低く保ったまま静かに移動することを心がけましょう。

大自然を満喫できるさっぱ船を体験しよう

海へ旅行に行くとき、クルージングはまさに海そのものを体感できるとっておきのアクティビティです。

今回紹介したサッパ船では普段はなかなか近づけないような海の秘境に迫ることができ、スリル満点なマリンアクティビティを探してる方にも心からおすすめです。

穏やかなビーチからとはまた一味違った、サッパ船の上からしか見られない海のもう一つの表情を楽しんでみてはいかがでしょうか?